配偶者から離婚調停を申し立てられて夫婦関係調整調停を望むという人は多いです。
夫婦関係調整調停とは通称では円満調停と言われていて家庭を円満に、というか、再構築、復縁を目指す、為の調停になります。
中には離婚を切り出されていなくても夫婦関係調整調停を利用した、という話を聞いた事もありますがこういったケースがごく稀だと思って頂いて良いと思います。
離婚回避や家庭の再構築を望んでいる人はこの夫婦関係調整調停に大きな期待をしますが、実際夫婦関係調整調停で離婚回避、家庭の再構築が出来た人がどのくらいいるのか、現実はどうなのか、について書かせて頂きます。
真実は残酷ですが、真実を知らずに夫婦関係調整調停に期待しても離婚回避や家庭の再構築は出来ないので真実を知った上で離婚回避や家庭の再構築を望んでいただきたいと思います。
離婚調停について考える
まず酷な事を言うようですが、普通であれば離婚についての話し合いがあってそこで折り合いがつかないから離婚調停を申し立てられる訳です。
これは世の中の離婚の現実として協議離婚が一番多いのでまぎれもない事実です。
そう考えた時に離婚調停を申し立てられた状態っていい状態なのか?悪い状態なのか?話し合いが出来ると思われている状態なのか?話し合いが出来ないと思われれている状態なのか?相手に話し合いをする気がある状態なのか?相手に話し合いをする気がない状態なのか?を考える必要があります。
もちろん人によって状況は違う話ですが、離婚調停を申し立てられる状態って基本的に良い状態である可能性はありません。
はっきり言ってしまえば、第三者を挟まないと話にならない、直接話したくない、直接対峙するのが怖い、という理由がある場合がありますし、そういった理由がなくとも直接の話し合いでどうにかなると思っていない、という話です。
対話が出来ないと思われている状態という事であり、まずその事実を自覚する必要があります。
過度な期待は持つべきではない
名称が夫婦関係調整調停、通称円満調停といわれているせいで過度な期待とする人がいますが、はっきりいって期待を持てる話にはなりません。
夫婦関係調整調停、通称円満調停で離婚回避、家庭の再構築が得られると期待する人は多いですが、実際に望んだ結果が出た人を見た事がありません。
もちろん全てのケースを見た訳ではないので望んだ結果が出たという人はいるでしょう。
けれど個人的にというか、職業的に数百件は相談を受けた事がありますが、その中では成功例はゼロとなっています。
その理由をいくつか書きます。
現在の状況
まず離婚調停は対話が出来ないと思われている状態という事です。
であれば夫婦関係調整調停、通称円満調停で今後に何とか繋が得るために自分は対話が出来る人です、という方向性を目指すのであれば分かります。
ところがほとんどの人は夫婦関係調整調停、通称円満調停で離婚回避、家庭の再構築という結果までを目指します。
これでは相変わらず話の出来ない人という評価にしかならず離婚回避、家庭の再構築に繋がるはずがありません。
調停員への認識
また調停員への認識を間違っている人も多いです。
調停員が自分の味方になって相手を説得してくれる、そこまでいかなくとも相手を離婚回避の方向に仕向けてくれる、と考えている人が多いのです。
けれど調停員は中立の立場です。
どちらかに肩入れする事はありません。
ですから調停員が味方になって説得する、離婚回避に仕向ける、という事はあり得ません。
家庭の問題は法律で解決しない
調停員の中には一応法律に関する仕事をしている人が含まれています。
けれど弁護士でも民事、刑事、離婚、知的財産等、得意分野があるのに調停員の法律の知識はどの分野が専門かはわかりません。
また法律で恋愛を語れないように法律で家庭を語る事も出来ません。
調停員の役割とは相手の言っている事と自分の言っている事を間に入って伝えるだけです。
内容に法律的な問題というか、常識的な問題があればアドバイスをするくらいです。
夫婦関係調整調停、通称円満調停
やり取りが出来ない状態、会話が出来ない状態、を第三者を挟んで繋ぐ為にあるのが夫婦関係調整調停、通称円満調停ではありますが、説得もなければ、何か仕向けるという事もありません。
もし相手が話したくないと言えば調停員には話しをさせる事も出来ません。
せいぜいが婚姻費用は払うべき、みたいな当たり前の話くらいです。
例えば大袈裟に言ってしまえば、離婚したい人と離婚したくない人の夫婦関係調整調停であれば相手は離婚したいと言っています、と離婚したくない人に伝えるだけで、相手は離婚したくないと言っています、と離婚したい人に伝えるだけです。
これで離婚回避、家庭の再構築に繋がるはずはないでしょう。
離婚調停になったらどうしたらいいの?
まずは色々な事を考えるべきです。
子供が一番大事なのであれば子供の為に離婚回避を目指すのか、離婚を受け入れて面会の数を増やす方向にするのか、等考える事があります。
それ以外にも自分に直せる部分があってそれを相手が受け入れてくれるか?という事を考えた上で離婚について考えてもいいでしょう。
それから離婚を受け入れるのか、離婚を受け入れないのか、方向性を決めるべきです。
ただ離婚は嫌だと言ってもどうにか出来る状態ではありません。
ところが考える前に離婚は嫌だと感情で行動してしまう人が多いです。
それでは相手を頑なにさせてしまうだけです。
何が離婚の原因でその離婚の原因に対して何が出来るのか、出来ないのか、を考えるべきです。
そこからどういった条件を目指すかを考えるべきです。
離婚調停になった時こそしっかりと考える必要があります。